メビウスの惑星

雑食性消費者の宇宙遭難日記です。プログレ入門者

King Crimson/Live in Newcastle December 8, 1972(2019)

King Crimson Collectors Club 48番目 "太陽と戦慄" ライブ版

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「太陽と戦慄」のライブ盤なのだが、スタジオ盤と同様にジェイミー・ミューア Jamie Muirがいる編成でのライブ音源で、珍しい。

さらに、サウンドボード音源(ライン入力での録音)のため、音質が良い。音圧もあり迫力ある音源なのが嬉しい。他のライブ盤と比べても音質の評判は良く、同時期のライブ音源と比較しても高音質と言って良い感じ。スタジオ盤の音質とは当然比べられないけれど。。。5人編成で音質が良いものは珍しくて、もうないと思っていたものがつい最近に大発見されたっていう嬉しさがこのアルバムのポイント。

曲順も「太陽と戦慄」のまんまで、途中にアナウンスメント、インプロ1,2を挿入。

Improv IはBook of Saturdayから切れ目なく連続して、その雰囲気を引きずっている。序盤1/3はフリップ翁のギターが珍しく(?)も優しくメロウな雰囲気で、そのあとはリズム隊の激しいやり合いも続くから、プログレ版Book of Satardayっていうような感じ?よい。

アウトロにかけて物寂しくなって言ってExilesにそのまま繋がっていく。このExilesはウェットンの歌唱の調子が良くて、高音部も伸びやかでスキャットも抜群。

Easy Moneyもウェットンの歌唱は絶好調で、一方ミューアのパーカッションが聴きどころかなと思う。フリップのギターはちょっと珍しいフレーズも多いかも?どこまで決めてて、どこからアドリブかわからないというところの創造性と緊張感、ライブ盤の醍醐味。新しいアイディアが溢れてきていた時期特有の、みなぎった演奏っていうのが素晴らしい。

Improv IIはEasy Moneyの流れから連続。タイコとパーカスが始めの主役で、ミューアのソロがしばらく続く。奇声も発しつつ、手数の多さと多彩な楽器?の音色がかなり刺激的。

その後Talking Drumから太陽と戦慄part2に流れていくが、こちらはアルバム版よりもブレークからの曲のつながりが滑らかな感じ。スタジオ盤の圧倒的なインパクトとは比べられないがこれも良い。唯一の残念ポイントとして、パート2が途中で終わってしまう。音質が良いだけに残念でならない。